Wixで使用しているドメインでメールの送受信を行うために、ロリポップ!レンタルサーバーを使用するための作業手順について解説します。
さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)とは異なり、安価にマルチドメイン対応(異なるドメインごとのメールアドレス宛のメールが、それぞれ別のメールボックスに入る)にしたい場合、ロリポップがおすすめです。
ロリポップ!レンタルサーバーを使用するメリット・デメリット
前回の記事で、Wixで通常推奨されているGoogle Workspaceの代わりに、安価なメールサーバーとしてさくらのレンタルサーバー(さくらのメールボックス)を紹介しましたが、もうひとつの選択肢としてロリポップ!レンタルサーバーの使用について解説します。
ロリポップ!レンタルサーバーの使用もおすすめです。
以下の特徴(メリット・デメリット)があります。
- 最安のエコノミープランで3年間(36ヶ月分一括支払)で月額換算99円、3年契約以外の場合は月額198円
- メールアドレスが作成可能な数は、最安のエコノミープランでドメインごとに20個、ライトプラン以上で無制限
- 1メールアドレスあたりのメールボックスの容量は最大1GB、ライトプラン以上で5GB(1メールボックスあたり10万通までの保存上限あり)
- サービス全体の容量は100GB(ライトプラン以上でさらに増量)
- メール送信数上限は1時間あたり100件、1日あたり1,000件(ライトプラン以上でさらに増量)
- ひとつのサーバー契約でマルチドメイン対応(ドメインごとに、しっかり別のメールボックスに入る)
- ロリポップ!レンタルサーバーでは、上位もしくは下位プランにプラン変更(拡張)が可能(事業規模が拡大縮小した場合に新規契約し直しが不要)
ロリポップ!レンタルサーバーの再販・代理契約について
ロリポップ!レンタルサーバーは再販が可能で、契約者と実際の管理者が異なっていても問題ありません。
通常の場合(ネームサーバーで接続されている場合)
通常の場合とは、Wixとネームサーバーで接続されている場合を指します。
ドメインのネームサーバー設定に
ネームサーバー1 | NS*.WIXDNS.NET |
ネームサーバー2 | NS*.WIXDNS.NET |
※上記のNS*の*には、サイトごとに異なる数字が入るようです。
といった設定を行っている場合の方法です。
Wix DNSのDNSレコードを設定する
Wixとドメインがネームサーバーで接続されている場合は、Wix側(Wix DNS)にDNSレコード設定があります。DNSレコード設定画面を開いて、以下の通りに設定します。
Wixにログインし、マイサイトからサイトを選び、ダッシュボードからドメインを管理をクリックします。
次に、ビジネス用メールを取得の右隣、“…”のボタンをクリックし、DNSレコードを管理をクリックします。
最低限、これをやればロリポップ!レンタルサーバーと接続は可能です。
以下の「外部メールボックス(こちら)」のこちらをクリックします。
プルダウンメニューはその他を選択し、ポイント先にmx01.lolipop.jp
を入力し、保存をクリックします。
TTLは1時間なので、概ね1時間以内にロリポップ!レンタルサーバー上でメールが使えるようになるかと思います。
次に、SPF(TXTレコード)の設定をしておきます。
WixのDNSレコード管理にSPFという項目がありますが、それは使用しません。TXT(テキスト)を使用します。それについては、Wixのヘルプでもそのように解説されています。
レコードを追加をクリックします。
ホスト名には何も入力しません。
値にはv=spf1 include:_spf.lolipop.jp ~all
を入力し、保存ボタンをクリックします。これで問題ありません。
ロリポップ!レンタルサーバーのコントロールパネルにログインして、以下の独自ドメイン設定とメールアドレス設定を行ってください。
最初に、独自ドメイン設定を行ってください。サーバーの管理・設定>独自ドメイン設定をクリックします。すると、以下の画面が出ますので、設定する独自ドメインに今回設定するドメインを入力し、他は未記入で構いません。最後に、独自ドメインをチェックするボタンをクリックします。
次に、以下の画面が出ますので、迷わずあとで認証するボタンをクリックしてください。
独自ドメイン設定は以上で完了です。
次に、メールアドレスを作成して、メールアプリなどの設定を行ってメールを使ってください。メールアドレスの作成方法、メールアプリなどの設定方法は、ロリポップ!レンタルサーバー上のヘルプを参照してください。メールアプリの設定が上手くいかない場合などは、ウェブメールからアクセスして送受信することも可能です。
最初にこの独自ドメイン設定を行っても良いのですが、TTLが1時間なので、その間に出来る作業として、今回STEP 4にこの手順を示しています。
ポインティング方式の場合
ポインティング方式の場合で、ロリポップ!レンタルサーバーとムームードメイン・Xserverドメインなどのネームサーバーと接続して使用したい場合について、一般的な手順を解説します。
ムームーDNS以外の場合で、DNSレコード設定(ゾーン設定)に記述する内容
ムームーDNS以外の場合で、DNSレコード設定(ゾーン設定)に記述する内容は、以下の通りです。
ホスト名 | 種別 | 内容 | 優先度 |
---|---|---|---|
@または空白 | MX | mx01.lolipop.jp | 10 |
@または空白 | TXT | v=spf1 include:_spf.lolipop.jp ~all |
上記を設定後、上記のSTEP 4と同じロリポップ!レンタルサーバーでドメイン設定とメールアドレス設定を行います。
TTLの値に応じて、DNSレコード(ゾーン)の設定変更が反映完了する時間が変動するかと存じます。
ムームードメイン(ムームーDNS)の場合(もっとも推奨する方法)
ムームードメイン(ムームーDNS)の場合の、具体的な設定手順について解説します。もっとも推奨する方法です。ムームーDNSのカスタム設定から設定変更を行います。
ムームードメインの管理画面の、ドメイン管理>ムームーDNSから、処理メニューの変更ボタンをクリックします。この際、必ずネームサーバーの設定状態が設定済みになっていることを確認してください。設定済みになっていれば、ムームーDNSを使用している状態になります。
もし、上記が未設定になっているようであれば、ドメイン管理>ネームサーバー設定変更から、該当ドメインを以下の通りに設定し直すことでムームーDNSに切り替えることが可能です。
上記のムームードメインのネームサーバ(ムームーDNS)を使用するにチェックされていれば問題ありません。
ただし、上記設定を行うと、今までムームーDNS以外のネームサーバーを使用してサイト運用していた場合には、サイトが閲覧できなくなる場合があります。設定変更を行うと、どのようなことが起こるのかを正しく理解した上で設定変更してください。
通常の場合(ネームサーバーで接続されている場合)で示したSTEP 4の手順と同様に、ロリポップ!レンタルサーバーのコントロールパネル上で、独自ドメイン設定を行ってください。
この段階で独自ドメイン設定を行う理由は、以下のSTEP3でロリポップ!でメールを利用する設定部分が出なくなるからです。
ドメイン管理>ムームーDNSから、処理メニューの変更ボタンをクリックした後に出てくる画面です。
カスタム設定になっていない場合は、必ずカスタム設定ボタンを押して、カスタム設定の画面から設定するようにしてください。カスタム設定の画面は、以下のようになっています。
上記の通り、サブドメインなしのメールが利用しないになっていたら、ロリポップ!に設定します。この設定はMXレコードをロリポップ!に向けたことと同じ意味になります(ボタンひとつで設定が完了するので簡単です)。
既にWix用のDNSレコード設定が行われている場合(サブドメインwww
にCNAMEレコード、サブドメインなしにAレコードが設定されている場合)は、その記述を削除しないでください。
入力欄を追加して、TXTレコードにv=spf1 include:_spf.lolipop.jp ~all
を記述してください。サブドメインには何も記述しません。
このとき、もしも既に他に設定済みのサブドメインが何も記述されていないMXレコードが存在する場合は、優先度の値を51以上の数値に設定してください。もしくは、不要であれば削除して構いませんが、削除すると元々あった設定のものは使用ができなくなります(元々あった設定の場所宛にメールが届かなくなる)ので、作業前にその点が問題ないかどうかを必ず確認してから作業してください。
上記と同様に、既に他に設定済みのサブドメインが何も記述されていないTXTレコード内にv=spf1~
といった文字列が存在する場合は、TXTレコードの記述方法に注意が必要です。
DNSレコードを記述し終えたら、セットアップ情報変更ボタンをクリックして、設定完了です。
ムームーDNSの場合、TTLは1時間で固定ですので、概ね1時間以内にロリポップ!レンタルサーバー上でメールが使えるようになるかと思います。
上記の設定が終わったら、通常の場合(ネームサーバーで接続されている場合)で示したSTEP 4の手順と同様に、ロリポップ!レンタルサーバーのコントロールパネル上で、メールアドレス設定を行ってください。
この記事の内容を見ても問題解決しない場合(FAQ)
この記事の内容を見ても問題解決しない場合や、仕組みを理解したい場合は、以下のFAQをご確認ください。
- 以前よりロリポップ!レンタルサーバーを契約済みで、ロリポップ!レンタルサーバーのコントロールパネル上でドメイン設定やメール設定を終えていますが、この記事にあるように再度その設定を行う必要がありますか?
-
重複して、再度その設定を行う必要はありません。
- DNSレコード(ゾーン設定)の設定変更を終えていなくても、メールの送信はできるのですか?
-
MXレコードが未設定の場合でもメールの送信は可能ですが、メールボックスにメールが入りません(受信できません)。ただし、既にメールの送受信設定をしているメールアプリ上で、受信エラーが出たりすることはないかと思います。ただ単にメールが入らない(受信できない)だけです。
また、この段階ではSPFレコードを設定していない場合は、もしメールを送信したとしても、メールの送信先相手のメールボックス上でなりすましメールと判定されることがあります。
- どのような仕組みで、メールが受信できるようになるのですか?
-
MXレコードでロリポップ!レンタルサーバーに向ける設定を行い、ロリポップ!レンタルサーバーのコントロールパネル側で独自ドメイン設定を行った上でメールアドレスの作成を行うとメールが受信できるようになります。
逆に言えば、上記のどれかひとつでも設定が正しく行われていない場合、メールを受信することはできません。
- 設定後、メールの送受信テストはどのような方法で可能ですか?
-
ロリポップ!レンタルサーバーのコントロールパネル内にあるウェブメールを使用する、あるいはメールアプリなどで送受信テストを行うことが可能です。
- SPFとはなんですか?
-
SPF(Sender Policy Framework)とは、メールの送信元ドメインが詐称されていないか検査する仕組みです。その設定を行うと、メールの送信先相手のメールボックス上でなりすましメールと判定されるのを軽減することが可能になります。
- ロリポップ!レンタルサーバーではDKIM/DMARCに対応していますか?
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対応しています。公式記事をご参照ください。