Wix DNSへのSPF/DKIM/DMARCレコードの登録方法(2024年2月以降、特にDKIM/DMARCへの対応必要性が高まる)

この記事は、すでにWix DNS上でMXレコードを設定済み(Wixをネームサーバー方式で設定済みであることを前提)で、独自ドメインのメールが送受信可能な状態となっている方向けの記事です。MXレコードの設定方法は、他の記事をお読みください。

レンタルサーバーにもよりますが、メールの配送品質を高めるためにSPF/DKIM認証の片方(SPFのみ)もしくは両方に対応していて、さらにDMARCに対応しているサーバーがあります。

各サーバーによって設定方法が異なりますので、以下の記事を参考に設定してください。

SPF/DKIM/DMARCレコードは、基本的にどのようなネームサーバーでも設定可能です

Wix DNS(Wixをネームサーバー方式で接続した場合)だから設定可能というわけではなくて、基本的にどのようなネームサーバーでも設定可能(ポインティング方式で接続した場合でも基本的に設定可能)です。各社それぞれの表記が異なりますが、DNSレコード設定ないしはゾーン設定というものがあれば、設定可能です。

ネームサーバー方式ではなく、ポインティング方式で接続している場合は、他の記事を参考にしてください。

SPFやDKIM/DMARCレコードを設定しないことによる弊害

SPFレコードが未設定の場合、おおよそ2023年3月頃から、特にGmail宛に「まったくメールが届かない」という事案をお聞きしております。一例として、以下のような報告事項があります。

実際に、私自身もご依頼いただいてSPFレコードを登録したところ、Gmailへのメール到達が改善されたとの報告を複数いただいております。なお、当社へホームページ制作をご依頼いただいた場合は、SPF/DKIM/DMARCは標準で設定済みですのでご安心ください(レンタルサーバー側が対応している場合に限ります)。

他にも、SPFレコードを設定しないと、相手の迷惑メールフォルダに入りやすくなる(かといって、SPFレコードを設定したとしても、確実に迷惑メールフォルダに入らなくなるわけではない)、メールが詐欺のものとして誤認識されてしまいかねないなどといった問題が起きることも考えられます。

送信者のガイドライン
以下のガイドラインに沿った対応を行うと、メールが Gmail アカウントに確実に配信されるうえ、Gmail で送信レートが制限されることや、メールがブロックされたり、迷惑メールに振り分けられたりすることを防ぐことができます。
すべての送信者の要件
2024 年 2 月 1 日以降、Gmail アカウントにメールを送信するすべての送信者は、このセクションに示す要件を満たしている必要があります。
重要: Gmail アカウントに 1 日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する場合は、1 日あたり 5,000 件以上のメールを送信する場合の要件を満たす必要があります。
・ドメインに SPF または DKIM メール認証を設定します。

Gmailヘルプ「メール送信者のガイドライン」より引用

2024年2月1日以降は、特にDKIMレコードの設定も必要性が高まる

GmailおよびGoogle Workspace宛に1日に5,000通以上のメールを送信する場合、2024年2月1日以降はSPFおよびDKIM/DMARCのメール認証の設定が必要になります。これは、Googleのポリシー変更によるものです。

送信者のガイドライン
以下のガイドラインに沿った対応を行うと、メールが Gmail アカウントに確実に配信されるうえ、Gmail で送信レートが制限されることや、メールがブロックされたり、迷惑メールに振り分けられたりすることを防ぐことができます。
1 日あたり 5,000 件以上のメールを送信する場合の要件
2024 年 2 月 1 日以降、Gmail アカウントに 1 日あたり 5,000 件を超えるメールを送信する送信者は、このセクションに示す要件を満たしている必要があります。
・ドメインに SPF および DKIM メール認証を設定します。
・送信ドメインに DMARC メール認証を設定します。DMARC 適用ポリシーは none に設定できます。

Gmailヘルプ「メール送信者のガイドライン」より引用

しかし、1日あたり5,000件以上となると、そもそもレンタルサーバー側での1日あたりのメール送信数の上限も確認しておいたほうが良さそうなレベルです。そちらも併せて注意しましょう。

Wix DNS上でSPF/DKIMレコードを登録する場所

Wixとドメインがネームサーバーで接続されている場合は、Wix側(Wix DNS)にDNSレコード設定があります。DNSレコード設定画面を開いて、以下の通りに設定します。

STEP
WixのDNSレコード設定画面を開きます。

Wixにログインし、マイサイトからサイトを選び、ダッシュボードからドメインを管理をクリックします。

ドメインを管理をクリック
上記画面の「ドメインを管理」をクリックします

次に、ビジネス用メールを取得の右隣、“…”のボタンをクリックし、DNSレコードを管理をクリックします。

DNSレコードを管理をクリック
2番目の「DNSレコードを管理」をクリックします

MXレコードはすでに設定済みという前提で、以降の手順を解説します。

STEP
MXレコードの設定

次に、SPF/DKIM(TXTレコード)の設定をします。

WixのDNSレコード管理にSPFという項目がありますが、それは使用しません。SPF/DKIMどちらもTXT(テキスト)を使用します。それについては、Wixのヘルプでもそのように解説されています。

レコードを追加をクリックします。

SPF(TXTレコード)の値の設定
上記の値を入力していきます

値には、レンタルサーバーごとに異なる値を設定します。その値の詳細については本記事の次に解説します。

DMARCについての解説は、後日加筆修正します。

ポインティング方式の場合のSPF/DKIM設定方法

ポインティング方式は、他社のネームサーバーを使用している状態であり、そのネームサーバー内のDNSレコード・ゾーン設定画面から、それぞれSPF/DKIMを設定します。

すべてを解説しているわけではありませんが、このサイト内でもいくつか方法を解説しています。

ムームーDNS(ムームードメイン)1. さくらのレンタルサーバー(さくらのメールボックス)をメールサーバーにしている場合
2. ロリポップ!レンタルサーバーをメールサーバーにしている場合
3. エックスサーバーをメールサーバーにしている場合(機能制限あり)
エックスサーバードメインドメインとサーバーにエックスサーバーを利用している場合は、予めSPFが設定済みです。DKIMを設定したい場合は、Xserverアカウントサーバー管理内のメール>DKIM設定をクリックし、対象のドメイン名の選択するをクリックしてください。ここでDKIM設定一覧が表示されていれば問題ありません。
その他の場合現状このサイト内では解説していません。

DMARCについての解説は、後日加筆修正します。

レンタルサーバーごとのSPF/DKIM対応状況

レンタルサーバーごとのSPF/DKIM対応状況は、以下のとおりです。

SPFのみ対応さくらのレンタルサーバーロリポップ!レンタルサーバーお名前.comレンタルサーバー(旧SDプラン)
SPF/DKIM対応エックスサーバーお名前.comレンタルサーバー(RSプラン)

上記については2023年12月頃までの仕様で、DKIM/DMARCについての仕様変更は後日修正します。

さくらのレンタルサーバー(さくらのメールボックス)の場合

さくらのレンタルサーバー(さくらのメールボックス)を使用している場合、SPFのみ設定可能です。

先程のSTEP 2のTXTの値にv=spf1 +a:www****.sakura.ne.jp +mx ~allを入力します。****の値は、MXレコードに記述しているwww****.sakura.ne.jpの中の****の数字と同じものを入力します。

より詳しい解説は、以下のページをお読みください。

ロリポップ!レンタルサーバーの場合

ロリポップ!レンタルサーバーの場合は、SPFのみ設定可能です。

先程のSTEP 2のTXTの値にv=spf1 include:_spf.lolipop.jp ~allを入力します。

より詳しい解説は、以下のページをお読みください。

エックスサーバーの場合

エックスサーバーの場合は、SPF/DKIM両方設定可能です。

SPFレコードの設定

先程のSTEP 2のTXTの値にv=spf1 +a:sv*****.xserver.jp +mx include:spf.sender.xserver.jp ~allを入力します。****の値は、MXレコードに記述しているsv*****.xserver.jpの中の****の数字と同じものを入力します。

DKIMレコードの設定

Xserverアカウントサーバー管理内のメール>DKIM設定をクリックし、対象のドメイン名の選択するをクリックしてください。ここでDKIM設定一覧が表示されていれば問題ありません。

もしDKIM設定一覧に何も表示されていない場合は、DKIM設定追加タブをクリックし、設定するボタンをクリックしてエックスサーバー上のDKIM設定を完了してください。

次に、先程のSETP 2と同じようにWix DNSのTXTレコードにDKIM用のTXTレコードを2行追加します。ここに追加する元となる情報については、Xserverアカウントサーバー管理内のドメイン>DNSレコード設定の、今回設定するドメイン名の選択するをクリックし、DNSレコード一覧タブをクリックした後に記述されています。以下のような画面です。

エックスサーバーのDNSレコード設定画面
エックスサーバーのDNSレコード設定画面

上記の画面から、2行をSETP2のようにTXTレコードを追加します。

ホスト名
default._domainkeyv=DKIM1; k=rsa; p=~で始まる400文字程度の半角文字列(そのまま)
_adsp._domainkeydkim=unknown
記述するTXTレコードは上記の2行
WixのTXTレコード
WixのTXTレコード

上記の形式で、v=spf1 +a:~v=DKIM1; k=rsa; p=~dkim=unknownの3行が設定されていれば問題ありません。

より詳しい解説は、以下のページをお読みください。

お名前.comレンタルサーバーの場合(RSプラン・SDプラン)

お名前.comには、レンタルサーバー RSプラン(現在申込み受付中)と、旧共用サーバー SDプラン(新規申込受付終了)の2種類があります。RSプランではDKIMに対応できることが確認できておりますが、SDプランでは対応可否については現時点では確認できておりません。

RSプランの場合

お名前.comレンタルサーバー コントロールパネルよりログインし、左メニュー「ドメイン」>利用するドメインの右側「DNS」をクリックし、

お名前.comレンタルサーバー RSプラン ドメイン設定画面
DNSをクリックします

DNSレコードの一覧を表示し、2つのTXTレコードの値をコピーし、そのままWix DNSのTXTレコードに貼り付けします。DKIMについては、必ずホスト名default._domainkeyも忘れずにコピー・貼り付けしてくださいね。

お名前.comレンタルサーバー RSプランのDNSレコード一覧
種類ホスト名
SPFレコードなし(空白)v=spf1 include:_spf.onamae.ne.jp ~all
DKIMレコードdefault._domainkeyv=DKIM1; k=rsa; p=~で始まる400文字程度の半角文字列(そのまま)
記述するTXTレコードは上記の2行

旧SDプランの場合

旧SDプランの場合では、少なくともSPFレコードについては追記可能なことが確認できております。

先程のSTEP 2のTXTの値にv=spf1 include:spf**.gmoserver.jp ~allを入力します。**の数字については、MXレコードに記述されているsmtp**.gmoserver.jp**の数字と同じものを入力してください。

詳細については、お名前.comの公ヘルプの記事をご参照ください。

他のレンタルサーバーの場合

記事準備中です。

記事執筆リクエストまたは、有償でのSPF/DKIM設定の相談も可能です。お問い合わせからお気軽にどうぞ!

SPF/DKIMの設定が反映したかどうかを確認する方法(Gmail)

SPF/DKIMを設定したドメインのメールからGmailにメールをテスト送信すると、SPF/DKIMが反映したかどうかを確認することができます。

Gmail側でメール受信したら、実際に受信したらテスト送信のメールを開き、メールヘッダ右上の受信日時近くの縦三点リーダーをクリックし、次に「メッセージのソースを表示」をクリックします。

縦三点リーダー・メッセージのソースを表示をクリック

別ウィンドウで上部にメールヘッダ部分や下部にメール本文が表示されますので、上部メールヘッダ部分の以下の部分がPASSになっていればSPF・DKIMが認証されていると言えます。

SPF/DKIMの設定が反映したかどうかを確認する
この部分がPASSと表示されていれば基本的に問題ない

DMARCについての解説は、後日加筆修正します。