Wixで使用しているドメインでメールの送受信を行うために、さくらのメールボックスもしくは、さくらのレンタルサーバーを使用するための作業手順について解説します。
さくらのメールボックスを使用するメリット・デメリット
通常、Wixでは独自ドメインのメールを利用するためにGoogle Workspaceの使用がおすすめされていますが、しかしそれは一般のユーザーにとって過剰(オーバースペック)な場合があります。
Google Workspaceの場合は1アカウントごとに別々に費用がかかりますので、もっと安価で手軽に独自ドメインのメールを利用したい場合に、さくらのメールボックスはおすすめです。
以下の特徴(メリット・デメリット)があります。
- 1年間(12ヶ月分一括支払)で1,048円(税込)、月額換算で88円
- メールアドレスが作成可能な数は無制限
- 1メールアドレスあたりのメールボックスの容量は最大2GB
- サービス全体の容量は20GB(1メールアドレスあたり2GB×10アカウントが目一杯使用で上限容量)
- メール送信数上限は15分あたり100通
- マルチドメイン対応ですが、同じメールアカウント名で異なるドメインごとのメールアドレス運用はできません(同一サーバー内にaaa.comとbbb.comのドメインを設定した場合、info@aaa.comとinfo@bbb.com宛のメールが同一メールボックスに入る)
- さくらのメールボックスやさくらのレンタルサーバーでは、上位もしくは下位プランにプラン変更(拡張)が出来ない(事業規模が拡大縮小した場合に新規契約し直し、つまりサーバー変更が必要)
さくらのレンタルサーバーとの違い
さくらのメールボックスとさくらのレンタルサーバーとの機能面の違いは、主にWEBサーバーとしての機能があるかないか、保存容量などの機能面です。料金面でも異なりますが、比較的安価な部類です。
さくらのメールボックス・さくらのレンタルサーバーの再販・代理契約について
さくらのメールボックス・さくらのレンタルサーバーは、禁止事項などに抵触しない限り再販は可能とのことです。
また、代理での申込みは可能ですが、契約者名義は会員メニューから変更できないので(変更または譲渡に、一定の手続きが必要)、サービスを利用する本人の名義で申込みが必要です。
通常の場合(ネームサーバーで接続されている場合)
通常の場合とは、Wixとネームサーバーで接続されている場合を指します。
ドメインのネームサーバー設定に
ネームサーバー1 | NS*.WIXDNS.NET |
ネームサーバー2 | NS*.WIXDNS.NET |
※上記のNS*の*には、サイトごとに異なる数字が入るようです。
といった設定を行っている場合の方法です。
Wix DNSのDNSレコードを設定する
Wixとドメインがネームサーバーで接続されている場合は、Wix側(Wix DNS)にDNSレコード設定があります。DNSレコード設定画面を開いて、以下の通りに設定します。
Wixにログインし、マイサイトからサイトを選び、ダッシュボードからドメインを管理をクリックします。
次に、ビジネス用メールを取得の右隣、“…”のボタンをクリックし、DNSレコードを管理をクリックします。
最低限、これをやればさくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)と接続は可能です。
さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)のコントロールパネルにログインし、サーバー情報>サーバー情報にアクセスして、サーバー基本情報に書かれているホスト名を記述します。www****.sakura.ne.jp
となっているものです。
以下の「外部メールボックス(こちら)」のこちらをクリックします。
プルダウンメニューはその他を選択し、ポイント先に先程のwww****.sakura.ne.jp
を入力し、保存をクリックします。
TTLは1時間なので、概ね1時間以内にさくらのメールボックス上でメールが使えるようになるかと思います。
次に、SPF(TXTレコード)の設定をしておきます。
WixのDNSレコード管理にSPFという項目がありますが、それは使用しません。TXT(テキスト)を使用します。それについては、Wixのヘルプでもそのように解説されています。
レコードを追加をクリックします。
ホスト名には何も入力しません。
値にはv=spf1 +a:www****.sakura.ne.jp +mx ~all
を入力し、保存ボタンをクリックします。左記のうちwww****.sakura.ne.jp
の部分はSTEP 2で取得したホスト名の部分です。
さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)のコントロールパネル上で、以下のドメイン設定とメールアドレス設定を行ってください。
- 最初にドメインの設定を行ってください。お名前ドットコムやムームードメインなどでドメインを取得している場合、ヘルプの他社で取得・管理中のドメインを設定したいを参照してください。
- メールアドレスを作成して、メールアプリなどの設定を行ってメールを使ってください。メールアドレスの作成方法、メールアプリなどの設定方法は、さくらのメールボックス上のヘルプを参照してください。メールアプリの設定が上手くいかない場合などは、ウェブメールからアクセスして送受信することも可能です。
最初にこのドメイン設定を行っても良いのですが、TTLが1時間なので、その間に出来る作業として、今回STEP 4にこの手順を示しています。
ポインティング方式の場合
ポインティング方式の場合で、さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)とムームードメイン・Xserverドメインなどのネームサーバーと接続して使用したい場合について、一般的な手順を解説します。
DNSレコード設定(ゾーン設定)に記述する内容
DNSレコード設定(ゾーン設定)に記述する内容は、以下の通りです。
ホスト名 | 種別 | 内容 | 優先度 |
---|---|---|---|
@ | MX | www****.sakura.ne.jp | 0 |
@ | TXT | v=spf1 +a:www****.sakura.ne.jp +mx ~all | 0 |
上記の内容に割り当てる情報は、コントロールパネルのサーバー情報>サーバー情報にアクセスして、サーバー基本情報に書かれているホスト名を記述します。www****.sakura.ne.jp
となっているものです。
上記を設定後、上記のSTEP 4と同じさくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)でドメイン設定とメールアドレス設定を行います。
TTLの値に応じて、DNSレコード(ゾーン)の設定変更が反映完了する時間が変動するかと存じます。
ムームードメイン(ムームーDNS)の場合
ムームードメイン(ムームーDNS)の場合の、具体的な設定手順について解説します。ムームーDNSのカスタム設定から設定変更を行います。
ムームードメインの管理画面の、ドメイン管理>ムームーDNSから、処理メニューの変更ボタンをクリックします。この際、必ずネームサーバーの設定状態が設定済みになっていることを確認してください。設定済みになっていれば、ムームーDNSを使用している状態になります。
もし、上記が未設定になっているようであれば、ドメイン管理>ネームサーバー設定変更から、該当ドメインを以下の通りに設定し直すことでムームーDNSに切り替えることが可能です。
上記のムームードメインのネームサーバ(ムームーDNS)を使用するにチェックされていれば問題ありません。
ただし、上記設定を行うと、今までムームーDNS以外のネームサーバーを使用してサイト運用していた場合には、サイトが閲覧できなくなる場合があります。設定変更を行うと、どのようなことが起こるのかを正しく理解した上で設定変更してください。
ドメイン管理>ムームーDNSから、処理メニューの変更ボタンをクリックした後に出てくる画面です。
カスタム設定になっていない場合は、必ずカスタム設定ボタンを押して、カスタム設定の画面から設定するようにしてください。カスタム設定の画面は、以下のようになっています。
以下のように設定1には何もない状態か、もしくは上記と異なる画面の場合、サービスの項目でメールが設定しないになっていることが必要です。
設定2に、DNSレコード設定(ゾーン設定)を記述します。
既にWix用のDNSレコード設定が行われている場合(サブドメインwww
にCNAMEレコード、サブドメインなしにAレコードが設定されている場合)は、その記述を削除しないでください。
MXレコードとTXTレコードを2行記述します。それぞれ、サブドメインには何も記述しません。
上記の画像と、先程のDNSレコード設定(ゾーン設定)に記述する内容を参考にしながら記述します。実際に記入するのは内容の部分だけです。このとき、MXレコードに設定する優先度の値は、特に指定のない限り0もしくは10などで問題ありません。
このとき、もしも既に他に設定済みのサブドメインが何も記述されていないMXレコードが存在する場合は、優先度の値を上記の数値(今回新たに設定するMXレコードの優先度の値)よりも必ず高い数値に設定してください。もしくは、不要であれば削除して構いませんが、削除すると元々あった設定のものは使用ができなくなります(元々あった設定の場所宛にメールが届かなくなる)ので、作業前にその点が問題ないかどうかを必ず確認してから作業してください。
上記と同様に、既に他に設定済みのサブドメインが何も記述されていないTXTレコード内にv=spf1~
といった文字列が存在する場合は、TXTレコードの記述方法に注意が必要です。
DNSレコードを記述し終えたら、セットアップ情報変更ボタンをクリックして、設定完了です。
ムームーDNSの場合、TTLは1時間で固定ですので、概ね1時間以内にさくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)上でメールが使えるようになるかと思います。
上記の設定が終わったら、通常の場合(ネームサーバーで接続されている場合)で示したSTEP 4の手順と同様に、さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)のコントロールパネル上で、ドメイン設定とメールアドレス設定を行ってください。
この記事の内容を見ても問題解決しない場合(FAQ)
この記事の内容を見ても問題解決しない場合や、仕組みを理解したい場合は、以下のFAQをご確認ください。
- 以前よりさくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)を契約済みで、さくらのレンタルサーバーのコントロールパネル上でドメイン設定やメール設定を終えていますが、この記事にあるように再度その設定を行う必要がありますか?
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重複して、再度その設定を行う必要はありません。
- DNSレコード(ゾーン設定)の設定変更を終えていなくても、メールの送信はできるのですか?
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MXレコードが未設定の場合でもメールの送信は可能ですが、メールボックスにメールが入りません(受信できません)。ただし、既にメールの送受信設定をしているメールアプリ上で、受信エラーが出たりすることはないかと思います。ただ単にメールが入らない(受信できない)だけです。
また、この段階ではSPFレコードを設定していない場合は、もしメールを送信したとしても、メールの送信先相手のメールボックス上でなりすましメールと判定されることがあります。
- どのような仕組みで、メールが受信できるようになるのですか?
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MXレコードでさくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)に向ける設定を行い、さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)のコントロールパネル側でドメイン設定を行った上でメールアドレスの作成を行うとメールが受信できるようになります。
逆に言えば、上記のどれかひとつでも設定が正しく行われていない場合、メールを受信することはできません。
- 設定後、メールの送受信テストはどのような方法で可能ですか?
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さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)のコントロールパネル内にあるウェブメールを使用する、あるいはメールアプリなどで送受信テストを行うことが可能です。
- SPFとはなんですか?
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SPF(Sender Policy Framework)とは、メールの送信元ドメインが詐称されていないか検査する仕組みです。その設定を行うと、メールの送信先相手のメールボックス上でなりすましメールと判定されるのを軽減することが可能になります。
- さくらのメールボックス(さくらのレンタルサーバー)ではDKIM/DMARCに対応していますか?
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対応しています。公式マニュアルをご参照ください。